…というわけで、誰にともなくヤマハが作ったアニメ「マスターオブトルク」第1話の感想を書いてみるわけですが。
(一部ネタバレあり)
まずはともかく「ヤマハよくやった!」と言いたいですね。
バイクがメインのアニメーションってだけで興味深々なわけですが、それをオートバイメーカーであるあのヤマハが「自ら」作ったってのが凄い事です。
提供・メインスポンサーってのと「自社名義で作る」ってのは意味がまったく違います。
製作:YAMAHAであるからこそ、出てくるバイクが全部ヤマハ車でも気にならないわけでして。(*1)
で、早速その中身なんですけどね。
設定上の意外性は特に無し、というか王道。
日中は平凡なサラリーマン主人公が裏では…とか、大企業の御曹司(多分)が敵役…とか、美人ジャーナリストが…とかは定番中の定番設定。
この先学会に裏切られた孤高の博士が出てくるのはほぼ間違いありません(をい)
そしてこうステレオタイプを揃えられると逆に「この先どう裏切られるんだろう?」と期待してしまうのが俺の天邪鬼的なところでして。
キャラクター(の画)は綺麗で無難な感じ。
若干オリジナリティに欠ける気がしないでもないですが、「流行を追ってみました」とか「○○の劣化版」とかで無くて好感がもてます。
ええ、大手にありがちな「無難だけを狙ったキャラ設定」ってあんまり良いことないですから。(*2)
バイクはさすがに綺麗に作ってあってよく動きます。
「CGです!」って主張しすぎてないし、それでいて写り込みが綺麗で走ってる姿勢もちゃんとしています。(←これ大事)
ギア入れた瞬間の音・揺れとかもちゃんと押さえてあるし、ライダー的にも車線変更する前にちゃんと確認の動きするあたりも○
車両の描写がちょい長いのはご愛嬌として、やー格好良いですよ。
この先出てくる(はずの)VMAXがどう動くか楽しみで仕方ありません。
ベタベタのノーマル車ばかりなのは…まぁ仕方ないでしょう。
個人的にはプロの運び屋(多分)ゆえのこだわり改造ポイントなんてのがあっても面白い気はするんですけどね。
ストーリー的には第1話ということで顔見せ程度。
いろいろ伏線は張ってあるみたいですが、これは続編を見てのお楽しみ。
あ、もちろん細かな突っ込みどころは多々ありますよ。
・どう見てもお前ら本気で追ってないだろう。とか。
(これが「この上司は部下にあまり慕われていない」を暗示させる表現だとしたらそれはそれで凄いですが)
・極秘開発中(多分)のキラキラスーツ見せびらかして走っちゃダメだろ、せめてジャケットを羽織れ。とか。
・ジャーナリストすら知ってる本名くらい調べられんのか。とか
ま、無粋な話ではありますけれど。
さて、で、このアニメ。
テーマというか着地点をどの辺りに考えているんでしょう。
勝手な想像ですが、王道設定にしているのは「あえて」であって、いわゆる一般人にも見てもらいやすくしたかったのかなと。
メインターゲットがバイク乗りやアニメ好きなのは当然として、それ以外の人に「ヤマハの(あるいはメーカーを問わず)バイクって良いよね」と思ってもらいたいのかなと。
そしてそれは国内だけでなく、海外へのアピールでもあるのかなと。
…そんな風に感じたんですが、さてどうでしょう。
個人的に、王道設定を真っ直ぐやりつくすのは大歓迎。
判りやすいストーリーで描写はマニアックってのは決して嫌いじゃないです。むしろ大好物です。
一通り流して観ても楽しいけれど、じっくり腰を据えてみるとあちこちこだわった箇所やバイク乗りならにやりとしてしまう部分が見えてお得。
そんなアニメならPCの前に正座してよだれだらだら流しながら見ちゃうんですけどね。(*3)
というわけで、ショートストーリではありますがなかなか面白かったこのアニメ、今後が気になるところです。
第1話が約5分。トータル4話ってことなんで全体でも30分アニメ1本とほぼ同様。
ここにどれだけストーリーを詰め込んでくるのか?
きちんと起承転結でまとまるのか?「俺たちの戦いはこれからだ!」(をい)で終わるのか。
今回の舞台はR246でしたけど、以降のロケーションに首都高も入ってるみたいだし、ストーリー的にバトルシーンが無いわけないし、果たしてメーカーがそれやっちゃっていいのかってのもあるし。
期待をこめて続編を待つとしましょうか。
※ジェネシスのロゴが当然のようにちゃんとジェネシス(?)だったのも個人的に嬉しいところ(はぁと)
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*1
例えば、俺が昔からずっと聞いているラジオドラマ番組のメインスポンサーがN産なんですが、最近番組の人気が出てきたせいかドラマの中でN車N車連呼するのがもうウザ(略
*2
某夢の国のTVアニメCMってあるじゃないですか、だんだん歳とっていく奴。あのキャラクター、無難すぎてかえってあざとく感じちゃってですねぇ…
*3
でも某キリンの実写版は一般客切り捨ててコアなバイク乗り向けに特化して作るべきだったと思うんですよ、うんうん。
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シーズン1の感想、その1、その2、その3、その4
シーズン2の感想
スピンオフ作品 Four Seasonsの感想
シーズン3の感想
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