「車の運転が上手い」ってのにはいろいろ定義があると思うんですが、一番判りやすいのはブレーキなんじゃないかと思うんですよ。
あ、これは「峠の下りのレイトブレーキング!」とか「ABS付き車両は余計なこと考えずペダル蹴飛ばせ!」とかじゃなく、普通の信号待ちでの停止なんですけどね。
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四輪に乗り慣れてる方ならご存じのとおり、「車が完全に停止する」前にはちょっとだけブレーキを緩める・抜く必要があるわけです。
前の信号が赤になってブレーキ踏んで、ぐーっと減速しての最後の最後、停まる寸前にふっとペダルの踏力を落とす。
これをやることで、車がすっと静かに停まってくれる。
やらないとがっくん停止になる。助手席の人の首が鞭打ちになる。
かといって早く緩めると停まれず前の車に追突する。
これがなかなかに難しくて奥深いものなんですよ。
この「減速しての最後の最後」ってのは、ホントに停まる寸前の話。数学的に言うと速度がゼロになる手前のΔ(デルタ)t
理論的にはマイナスの加速度が最大になるので衝撃が大きいのは当然の話です(そうか?)
ブレーキ抜きが上手くいくと、実に静かに車が停まる。
同乗者にも停まった事を気づかせなかったりする。「え?今停まったの?」となる。運転手としてはこれはなかなかに嬉しいものだったりします。
んでこれは余談なんですが、以前、有名&街中を数多く走ってる某ハイブリッド車を長く使うことがありまして。
これがねぇ、先のブレーキ抜きがまったく上手くできませんでした。
自車と同様に静かに止めようとしてことごとく失敗、いろいろ試したけれど最後まで上手くいかず。
多分、ハイブリッドゆえの回生ブレーキの影響だと思うんですよねぇ。あまりの不満に「ああ、俺はこの先もこの車種は買わないわ」とまで思ったりとか。
本当に回生ブレーキの影響なのか?最近の「アクセルペダルのみで減速可能!」がウリのBEVとかはどんな感じなのか?今後試してみたいところです。
ちなみに停止直前のΔtというのは発進時も同じです。停止から動き出した瞬間が一番衝撃が大きくなる。
でもこちらは(AT限定ではありますが)クリープ現象が利用できる。
シフトをドライブに入れてブレーキ外して、クリープで車が前に出はじめたところをアクセルで押してやる。
これさえできればスムーズ発進。まぁさすがにこちらは「え?今動き出したの?」とまではいきませんけどね。
最初に書いた通り、運転の上手い下手にはいろいろとあります。
それこそハンドルの回し方ひとつでも、「内掛けするんじゃない」とか「すえ切りするんじゃない」とか「ロックまで回してガツンとぶつけるんじゃない」とかまで。
ま、この辺りは運転手の自己満足でもあるわけで、本人が気にしなきゃいいとも言えるんですが、二輪と違って四輪は人を乗せる機会も多いわけで。
結果的に、(運転手を含め)乗っている人が少しでも快適に感じるような運転が一番「上手い」んじゃないかと思うんですよねぇ。(自戒自戒……)
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