はじめてのバイクってネタは過去何回か書いているんですけどね。
ここ最近、状況が変わってきている気がするわけです。そしてちょい個人的に相談されたこともあって、あらためて書いてみようかと思いまして。
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で、今回ネタにするのは125ccクラス、原付二種。
昔(昭和~平成前半)、125ccってのは新車購入時の表舞台には上がってこなかった。
当時売られていたのは実用車がメイン。個性的な車種も無いわけではなかったけれどわざわざ手を伸ばす人は少なかった。
ところがここ数年(かな?)車種が充実してきた。
見た目もお洒落で性能も魅力的に。ジャンルも広がって選択肢が多数。
何より価格が比較的お手軽で、「これなら『とりあえずバイク欲しい』な人には125ccを勧めるべきなんじゃ?」と思うようになってきたわけですよ。
念のためですが、バイクでも用品でもなんでも「俺はこれが欲しいんだぁ!」って信念のある人はそれ買うのが一番です。
排気量だの性能だの特徴だの金額だのは二の次でOK。趣味100%なんだから「好きなものを買う」のが間違いなし。
ここで書きたいのは、「バイクって面白そうだけどどんなのを買ったらいいかなんて見当もつかない」「まだ免許もない」「でもそこそこの費用がかかるんだから後悔したくない」そんな人たち向けの話です。
そしてそんな人は結構多い気がする。
以下がそんな人向けのアドバイスになればいいと思うんですよね。
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免許
ってなわけで、まずはバイクに乗るのに絶対必要になる免許。
最初に「125ccが良さそうだぜ!」って言っておいてアレなんですが、免許だけは125ccに乗れる「小型二輪免許」じゃなく、400ccまで乗れる「普通二輪免許」にしておいた方がいいと思います。
理由は「後々のために」
いざバイクを買って乗ってみて「あれ?これ、凄い面白いじゃん!」となった時、「もうちょい大きいのはどうなんだろうな?」とか考えることができる。
そこまででなくても、最近はレンタルバイクなんてのがあって「つまみ食い」ができる。
だから普通二輪免許をお勧めします。教習所の費用もそんなには変わらないはずですからね。
例外は「体格・体力的に普通二輪はちょっと……」な人でしょう。
普通二輪は教習車が400ccなので小柄な方にはちょい辛い。この場合は小型にしておきましょう。
もう一つの例外は普通四輪免許持ちの人。
今は四輪免許があれば小型二輪免許をさくっととることができる。
「とにかく早く免許が欲しい!」ならこれを選択するのもありだと思います。
そしていずれの場合でも、「AT限定」はもったいないのでヤメときましょう。
実際に何を買う・乗るかはさておいて、免許で車種選択の幅を減らしちゃもったいないですからね。
#そしてバイクのクラッチ操作ってのはそれはもう楽しいものなので。
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保険
自賠責は法律で決められているので言うまでもなしとして、いわゆる任意保険の話。
入るのは当然ですが、125ccの大きなメリットに「ファミリーバイク特約が使える」ってのがあるわけです。
これは、家族が四輪車を持っていて保険に入っていれば、そのオマケ的に小型二輪の保険を安く掛けることができるということ。
※詳しい条件は検索してください。
若いうちはバカみたいに高い任意保険が少しでも安くなるのはありがたい話ですよね。
そして繰り返しますが「任意保険なし」は論外ということでお願いします。また対人保険は無制限で入っておきましょう。
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バイク
さて、で、メインのバイクなんですが。
これは完全に私の私見(重)なんですが、125ccクラスは「東南アジアからやってきた」と「欧米からやってきた、もしくは最初から日本向け」ってのに分かれる気がするわけです。
前者が今の125cc隆盛のきっかけを作った気がします。
東南アジア方面で売られていた125ccとか150ccとかのバイクが、日本の小型二輪の規格に合わせて販売されはじめた。
これはメーカー直というより販売店による並行輸入ものがメイン。そして価格が大変にお安かった。
この「価格がお安い」という点が、最近の日本で売れるためには重要なポイントだったように思うわけです。
車体はカブ的フレームが多く、頑丈で実用性一番。
分厚いシートで乗り心地良し、その気になれば荷物をたっぷりと積むことができる。
デザインも日本では新鮮で個性的に見えたので、これをちょい弄って乗るのがなかなかにお洒落でもあった。
そして後者。
近年になって「あれ?もしかして125ccって結構売れるんじゃないか?!」と思った(のかどうか)メーカーが、本格的に開発、輸入、販売を始めたわけです。
後に書くとおり、こちらは上位機種に準じた、もしくはオリジナル的なフレームとエンジン、性能は当然問題なし。
弱点は価格ですね。先の東南アジア系に比べてお高くなるのは仕方なし。
そんなこんなが入り混じって売られているのが、今の日本の125ccクラスの気がしています。
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分類的なこと
■東南アジア的カブ系
カブフレーム(類型含む)にカブエンジン(類型含む)が基本の実用車。タイヤが大きくて安定感あり。
■東南アジア的スポーツ系
グローバル(世界共通)エンジンによるスポーツ車。純粋スポーツよりは、ややツーリング向けに振られている場合多し。
■日本的カブ系
本家スーパーカブに加えてその派生モデル。最近大流行中。安定感問題なし、もちろん信頼性も。
■ホビー系
カブ系エンジンのルックス重視バイク、近年大変に充実してきた。
かつて50ccだったバイクの125版多し。弱点は価格的なところ。
■スポーツ系
スポーツ車やらネオレトロ車やら。上位車種のダウンサイジング版も多い。
エンジンもフレームも本格的でバイクの挙動を覚えるには一番良い。弱点はこれまた価格的なところ。
■スクーター
通勤通学仕事に使うならこれが一番。但しバイクとしての面白みは少な目。
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変速機的なこと
■クラッチ付き(MT)
楽しい、自分で操る喜びがある。その分「難しい」と感じる場合もあり。
■自動遠心クラッチ(ATに含まれる)
ルーズに乗れる。変速の楽しみもある。シフトアップ・ダウン時の回転合わせは難しい。
■AT(無段変速、Vベルト)
楽、実用的にはこれが一番。但し、操る楽しみ的には……
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……とまぁ、勝手に書いてきた結果として、俺的にはやっぱり「125ccでもクラッチ付きのスポーツ系」がお勧めです。
乗って楽しいのはもちろん、「バイクってこういう乗り物なんだ!」を感じるにはこれが一番でしょうね。
そして「そんなに気合を入れる気は無い、もっと手軽に気軽に!」なら自動遠心クラッチのホビー系も良い。
景色の良いところをぱたぱた走るならこれも楽しいですよ。
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さて、で、最後になんですが。
ちょっとだけ125ccならではのデメリット的な事も。
原付二種の弱点、それは「長距離が苦手」ってことです。
私の知り合いで(皆ベテランライダーですが)オフロードの125ccを買った人間が複数います。125ccでも林道を楽しむには十分な性能がある。軽いし足つきも良いから、なんならガレ道の走破性は250ccより上だったりすることもある。
そんな楽しいバイクなのに、長く乗らず手放す人が多かった。
理由は、「林道に行くまでが辛い」
そう、目的地で楽しむのには問題がなくとも、そこまでたどり着くのがなかなか大変だったわけです。
小型二輪が高速道路・自動車専用道路に乗れないのはご存じのとおり。
だから目的地までは一般道を走ることになる。これが走って楽しい道ならいいけれど、大抵は四輪がびゅんびゅん走る国道、もしくは単なる寂しい田舎道。そこをひたすら淡々と走るのがなかなかに辛いわけです。
林道では十分な性能も、一般道ではちょい力不足。
エンジンは常にブンブン回すことになる。足つきの良さは変じて、ライディングポジションが窮屈に感じてくる。
これはオフロード車だけでなく、オンロードでも似たような話になります。
125ccで伊豆半島やら房総半島やらの海岸線を回るのは実に楽しい、何の問題もない。
でも、そこに行くまでがかなり大変なんですよねぇ。
※こんな素敵ロードが近所にあるなら何の問題もないんですけどね
まぁこれはレベルは違うにせよ、250ccクラスでもありえる状況ではあります。
俺の北海道ツーリングで一番つまらなくて退屈なのは、宇都宮から新潟までの高速300kmですから。
ともあれ、125ccでの長距離・長時間走行が厳しいのは事実。
「走って楽しい素敵ロード」まで距離のある場所にお住まいの方はそれなりの覚悟をお願いします。
#そして「俺は125でどこまででも走るぜ!」な人には「それは良かったですね」と伝えます。
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