ステッカー貼りすぎ問題「ステッ多ー」を考える

いや、街で時々、ステッカーを沢山貼ったバイクを見かけるじゃないですか。

俺は個人的に「ステッ多ー」(すてったー)って呼んでるんですけどね。

ステッ多ー※もちろんこの程度のステッカー数の話じゃありません

「沢山のステッカー」で最初に思いつくのはレーサー。でもこれはちょい違う。

レーサーに貼ってるステッカーはスポンサードされているメーカーやらショップやらのもの。何よりこれは商売だから仕方がない。

そしてレーサーを真似るレプリカバイクが同じステッカー貼るのもまた同様。

もう一つ言うと、最初からレイアウトを計画して貼られているステッカー類も違う。
二輪だとアンダーカウル、四輪だとドア下にパーツメーカーのロゴを同じデザインで並べるような奴ですね。

俺が(勝手に)「ステッ多ー」って呼んでるのはこれらではなく。

貼られたステッカーはバイクに関するものもありはするけれど、どちらかというとまったく関係ないジャンルの方が多い。

名所旧跡訪問記念、地方の名産品にキャンペーン、そしてジョークステッカー。
北海道で買ったのであろう「熊出没注意」「最北端の地」「北方領土返還」
神社で毎年新年に買う「交通安全」「家内安全」「商売繁盛」
参加したイベントのゼッケンマーク
「赤ちゃんが乗ってます」「最大積載量積めるだけ」「水曜どうでしょう」

そんなステッカーが大量に、かつ無秩序に貼られたバイクなんですけどね。

 

この無秩序にってのも重要な点です。

先のとおり、最初から計画されて貼られているものは数は多くとも統一感がある。色しかり、レイアウトしかり。

でも「ステッ多ー」はそうじゃない。カラーも配置も、雑然、カオス、這い寄る混沌。

ジャンルもバラバラ、もしまとめようとすれば相当なセンスが必要になる。

 

これ、おそらくなんですけど、これらのステッカーも最初は1枚だけだったはずなんですよ。

ちょっと個性を出したかっただけ。気に入ったステッカーを使いたかっただけ。何気に1枚貼ってみただけ。

なのにいつの間にか枚数が増えていく。
じわじわと増殖していく。みるみる場所を埋めていく。

場所的に危ないのは、トップケース・パニアケース、そしてスクリーン。

この辺りは先の「何気に1枚」を貼りがちなもの。そして周りにフラットなスペースがあって増殖しやすい場所なわけです。

 

増える理由はといえば、小学生の頃、ランドセルとか勉強机にシールをベタベタ貼ってた俺には判るんですよ。

一枚貼ると、なんとなくもう一枚貼りたくなる。そして「ああ、まだここが空いてるじゃん」とまた貼る。

数が増えてくる。タガが外れてしまう。
次第に空いているスペース・何も貼っていない空間が許せなくなってくる。

割れ窓理論というか、Like a Rolling Stoneというか。

いつの間にか「ステッカーを貼る」じゃなく「貼るためにステッカーを探す」になる。

旅行好きの人にありがちな、シールがべたべた貼られたアタッシュケースってのもこの手の類じゃないかと思うんですけどね。

 

もちろん、大量にステッカーを貼るのが悪いわけじゃない。誰にも迷惑はかけないし、自分のバイクをどう飾ろうが個人の勝手。

でもね、ちょっとだけ思っちゃうんですよ。オーナー自身はホントにこれでイイ!と思っているのだろうか?と。
もしかするとちょっとだけ後悔してるんじゃないか?と。「やりすぎちゃったよな……」って思ってはいないかと。

先に書いたトップケース・パニアケース、そしてスクリーンに貼りがちなのも、スペースの問題と共に「これはバイク本体じゃないから、オプションパーツだから」って言い訳があるのでは?とか思うわけですよ。

 

ええ、「なら剥がせばいい」と言うのは簡単なんです。
でもね、一旦貼ってしまったステッカーはなかなか剥がせないんです。

剥がすと価値がなくなってしまうから。思い出が消えてしまうから。
そしてそれ以上に、空いてしまうスペースを許すことができないから。

「一度貼ったステッカーをオーナー自ら剥がす為の10の考え方」なんて本が出たら俺は迷わず買っちゃうんですけどね。

 

こう考えると、ステッカー群がきちんとレイアウトされて貼られている計画済みバイクは凄いなぁ、よく我慢できるなぁと思います。

でもね、そんなバイクでも油断はできません。

世の中には、増殖を繰り返していったものを、あたかも初めからそうだったように見せてしまう、凄腕ステッ多ーが存在するかもしれませんから。

 

……あ、俺ですか?

もちろん俺もステッカーを貼りたくて貼りたくて仕方なくて。それでいて我慢しなきゃとも思っていて。

だから表から見えないところにステッカースペースを作ってます。ここなら何枚貼っても大丈夫!


#まだまだ貼れるんだぜぃ!

 

 

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