莫迦2

#続き
> はて、俺は何故バイクで走るのだろう?
 「好きだから」
 そう答えるのは簡単だ。
 しかし、「炎天下や酷寒の中走るのも好きなのか?」と聞かれると、さすがに首を傾げざるを得ない。
 何故好きなのだろうか?
 …つらつらと考えてみると、俺にとってバイクが「純粋な趣味」であるからだろうと思いついた。
 趣味だから、「乗らなければならない」等という義務感はまったくない。
 乗りたい時に乗り、そうでない時には乗らない。
 「何を当たり前の事を」と言われそうだが、実は俺にとってこの気楽さは重大なことなのだ。
 例えば仕事でバイクを使うとする。
 暑くても寒くても雨でも風でも、バイクに乗らなくてはならない。
 メンテで少し気がかりな事があっても、乗らなくてはならない。
 「昨日洗ったから汚したくないな」と思っても、乗らなくてはならない。
 本当に仕事で使っている人には申し訳ないが、俺にとってはこれは「苦痛」である。
 仕事という「義務」で乗るなら「楽」をしたい。
 楽をするなら四輪が一番。あえて二輪を使うならスクーターだろう。
 いずれにせよ、俺が今持っている2台が楽でないことはあきらかだ。
 翻って、「趣味」で乗るなら「面白く」乗りたい。
 暑かろうが寒かろうが、それを「面白い」と思えるなら、俺はバイクに乗る。
 重かろうが癖があろうが、乗って「面白い」と思えるバイクを俺は選ぶ。
 言い方を変えれば、面白いからこそ「趣味」と呼べるのだ。
 
 趣味というのは奇妙なものだ。
 スキーや登山、キャンプを例にあげるまでもなく、金を払い、わざわざ不便な状況に自分を追いやるのだ。
 冷静に考えれば、こんな莫迦な話はない。
 しかし、それを「楽しく」感じてしまうのも事実なのだ。
 例えまったく同じ行為であっても、「金を稼ぐ手段」であり「義務や責任」を背負う「仕事」の場合、趣味と同じように楽しく感じるかは甚だ疑問である。
 「仕事は二番目に好きな事にしろ。一番目は趣味にとっておけ。」
 誰の言葉かは忘れたが、実に明言だと思う。
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