秋深し?

【10月中旬】隼
 誘われて、福島までツーリングに出かけてみる。
 当日早朝、外へと出ると気温が低い。ほぅと吐く息がうっすら白くなる程である。
 ここ2,3日で急激に冷え込んできた北関東だが、これほど寒いとは思わなかった。
 いつものつもりで夏ジャケット&メッシュグローブで部屋を出てきてしまったのだが…まぁ天気予報も良好だし、日が高くなれば気温も上がるだろう。
 出発してすぐ気づく
 「寒い」
 そう、やはり寒いのだ。カウルの中に潜り込んでいても、冷気がじわじわと攻めてくる。
 「うう、早く暖かくなれよ・・・」
 集合場所でお馴染みの方々にやぁやぁと声をかけ、初めての方にどもどもと挨拶をする。
 今日は寒いし、ゆっくりといきましょうね(俺だけか?)
 北へと向かうにつれ、気温は更に下がってきた。
 天気予報と異なり、空の具合は今ひとつ。
 さすがに雨の気配はないが、どんよりと曇った空からは太陽の恵みを期待できそうにない。
 寒いよ寒いよとぶつぶつ呟きながら走る。
 メッシュグローブの指先が寒い。
 ブレーキングで体を起こすと寒い。
 峠で気張って膝を出すとGパンの下半身が寒い。
 うう、寒い寒い…(以下リピート)
 福島県の山間部、山の頂上付近がなにやら白くなっているのは見なかった事にして走りきる。
 ガタガタ震えながら昼食にと入った食堂では、既にストーブが大活躍していた。
 う?む、それは正しい選択ですな。
 「今朝が一番冷えたねぇ」という食堂のおばさんの話を聞きながら蕎麦をすすり込む。
 そうですか、今朝はこのあたりにも霜が降りましたか。
 食後の熱いお茶を飲み干して出発。
 午後になっても気温は変わらず、ヘルメットの下で洟をすすりながら走る。
 ぐるりと300kmばかり走り回り、皆と別れ、帰宅したのは日暮れ時。
 隼をガレージへしまうのも早々に、家へと入り、風呂へと飛び込む。
 う?む、極楽極楽。いつものように風呂上がりにビール…はちょいとやめといて、今日は熱燗でも付ける事にしよう。

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